理事長所信


2013年1月1日

第42代理事長 深田 享保

一般社団法人丹波青年会議所

 

 

 

 

【はじめに】

1972年、志を同じうする先輩諸兄が「明るい豊かな社会」をつくるために氷上青年会議所を創設されました。それ以来、当青年会議所は、41年に渡りそれぞれの時代の中で、数多くのリーダーを輩出してきました。私は、先輩諸兄がリーダーとしての使命感を持って今の丹波市を創造されたこと、緑豊かな丹波の地で次代の宝として私たちを育ててくださったことに深く感謝申し上げます。本年度は、公益法人制度改革により一般社団法人丹波青年会議所と名称は変わりますが、私たちは、これまで培われた熱き想いは変えず、引き継いで参ります。

日々安穏と生活していた私は、東日本大震災の光景と父の死を契機に、生きることについて深く考えるようになりました。自然は、人間にとって大きな恵みを与えてくれるものでもあり、予期せぬ死を与えるものでもあることを思い知らされました。また、私は、父のあまりにも唐突に訪れた死に直面し、その無念さを強く思いました。この経験から、私は「一遍の悔いのない人生」を送りたいと心から強く思うようになりました。時間はあまりにも早く過ぎ去っていきます。明日の私、一か月後の私、一年後の私と今の私があまり変わらない「繰り返しの人生」を送るのではなく、今自分ができることを精一杯考え、行動し自分が成長していく「積み重ねの人生」を送りたい。そして、私はひとりではいられない。愛する家族、志を同じうする仲間、地域の人々と丹波の地で共にその人生を送りたい。JCはそのことを可能にしてくれる「学び舎」であることを確信しています。

私たちは、現在の成熟した生活・企業活動を維持していくために、多くの資源を消費し続けています。限りある資源である化石燃料を中心としたエネルギーを消費する社会は、東日本大震災から生じた原発問題が拍車となり、今、確実に大きな変化を求めてられています。今こそ、次代の子供たちに将来への希望と勇気を与えるため、私たちは英知と勇気と情熱をもって「未知なるもの」を探求していこうではありませんか。本年度は、40周年ビジョンの実現の第2歩目として、丹波の緑豊かな資源の可能性を追求し、持続可能な丹波地域の未来を創造する活動を行います。

 

【ひとづくりとして】

ネット社会がますます複雑化し、情報が洪水のように押し寄せ、人々の価値観が多様化する時代の中、私たちは地域を牽引する青年経済人の資質向上として、何を学び、どのように行動していかなければならないのでしょうか。私は、過去の偉人達が、なぜ、現在も私たちを魅了し続けるのかを考えました。それは、ぶれることのない強い信念に基づいて未来に向かって情熱を持って行動する彼らの颯爽とした姿が、何か面白いことをやってくれるのではないかという「わくわく感」を私たちに与えてくれるからではないでしょうか。私たちは、自己修練の学び舎としてのJC活動を通じ、自らがわくわくする「未来のビジョン」を示せる力、信念を持った決断力、そして、それを実行できる行動力を学んでいきましょう。

 

【次代を担う子どもたちとともに】

子どもたちは、積み重ねる成長を自然と行っています。なぜなら、毎日、未知なるものとの出会いがあり、好奇心をもって、それが一体何なのかを一所懸命考え、行動しようとするからです。私たち大人も子ども時代には、積み重ねる成長をしてきたはずですが、いつの間にか、それができなくなってしまっています。それは、自分の限界を自分で決めてしまい、考え、行動することを躊躇してしまっているからではないでしょうか。子どもたちを見つめ直しましょう。私たち大人が目指すべき手本はすぐそばにいます。

その子どもたちに大人として何ができるのか。それは、子どもたちが大人になることが待ち遠しくなるくらい、私たち大人が人生を楽しんでいる背中を見せることです。

子どもたちとともに、そして、一歩前を歩いて、明るい未来を築いていくことを、JC活動を通じて学んでいきましょう。

 

【まちづくりとして】

父は晩年、昭和初期の子ども時代の苦労話を本当に楽しげに話してくれました。毎日ご飯を焚くのに裏山へ薪や落ち葉をかき集めにいったこと、田んぼや畑に肥料をまくのに肥溜めから肥料を運んだこと。当時は貧しいながら、代々受け継がれてきた緑豊かな大地の恵み(資源)を見事に生活の中で循環させていました。しかし、戦後の経済発展、人口の減少、高齢化社会という現実によって、その大地は放置され、時には大きな災害を起こすようになってしまいました。

私たち青年経済人は丹波の地で生きていく社会企業家として、持続可能な社会を目指さなければなりません。そのためは、丹波の大地から享受する資源エネルギーを最大限に循環させることが必要です。私たちは、未知なるものを探求する行動を通じ、地域社会を活性化させるデザインを提言します。この行動こそがJC活動ならではの醍醐味となるはずです。

 

【絆~つながっていく~】

私たちは、仕事、年齢、性別は違えど、この時代に丹波の地で生きていく覚悟をもってJCという「学び舎」に集った同志です。明るい豊かなまちを作るために、お互いが切磋琢磨し、友の意見を尊重し、正直で率直な会議を楽しみ、本気で力を合わせ、一足す一が十になる喜びに感動する、笑いが途切れず、友との時間が待ち遠しくなってくる。どんどん友とのつながりが深まり、その友がこれからの人生の財産となっていきます。

また、場所は違えど、全国に何百とあるJCの学び舎に集った同志は、出会ったその場から昔からの仲間のように熱き想いを語りかけてきます。全国の仲間と出会うチャンスを大切にしてください。きっと素晴らしいつながりが待っています。

まだ見ぬ同志たちは、なぜ、私たちJCとつながりを持つことをためらうのか。それは、彼らが私たちの本当の姿、活動をよく知らないからです。彼らにも、自分を成長させたい想いが心の奥底に眠っているはずです。それを呼び起こすためにも、メディア・ネット・口コミ・自分たちの足・あらゆる手段を使って私たちの活動を積極的に発信していきましょう。

 

【最後に】

ある100歳の現役医師は、「いのちとは、私たちの持っている時間である。これから生きていく時間。それが、私たちのいのちである。」といい、また、ある100歳の現役教師は「学ぶことは生きること」と言っています。つまり、私たちの人生は、いのちを使って、自己の成長のため、一生学んでいくことなのです。学び舎であるJCはなぜ、単年度制であり、40歳で卒業してしまわなければならないのでしょうか。それは、JCとは「居心地を良くしてはならない団体」だからです。異質な集団の中で揉まれ、多様な価値観を知り、自分と異なる価値観を広く受け入れることにより、自分の中で葛藤し、考え、行動していく。それが、自己の成長につながることを身をもって教えてくれているのです。

JCは単なる通過点ではありません。これからの私たちの素晴らしい人生をつくる大きな糧となります。未来に向かって、私たちの大いなるいのちを情熱をもって燃やしていきましょう。

 

【基本理念】

一、「積み重ね」の人生を送るために学んでいきます

一、丹波の活性化をデザインするために行動を起こします

一、積極的につながっていく行動を起こします

 

【スローガン】

未来への挑戦

 

【基本方針】

一.会員の自己成長・経営資質向上の推進

二.次代の宝に向けて大人の背中を見せる活動

三.丹波市の持続可能な社会への提言

四.会員拡大の絶対推進

五.積極的な対内・対外交流

六.効果的な広報活動

七.凛とした組織運営

Leave a Reply

File not found.